ネットメディア関連の団体が増えてきたのでそれぞれの特徴と主要メンバーを調べてみた【追記あり】
先日、インターネットメディア協会なる団体が設立されるというニュースが飛び込んできました。
第一報を見てなるほどフェイクニュース対策なのかと思ったんですが、BuzzFeed Japanの古田編集長はそういうものではないとコメント。
その後書かれた記事がこちら。
https://www.buzzfeed.com/jp/daisukefuruta/media-and-journalism-1?utm_term=.blnqqq2A1#.wvYZZZ5Aqwww.buzzfeed.com
これによると、今回設立を目指すとされたインターネットメディア協会はガイドラインの設定が主たる活動とのこと。実効性のあるガイドラインができるなら、それ自体は素晴らしいのではないかと思います。そしてインターネットに平和が訪れた。〜完〜
さて今回、「インターネットメディア協会」が大々的に取り上げられたこともあり、初めてネットメディア関連の団体が作られたと思った方も多いのではないでしょうか。しかしながら、この手の団体はこれまでも作られてきています。それぞれ趣旨が異なるので活動内容の重複はないのですが、普段ネットを見ているユーザーにはまったく接点がない部分かと思うのでまとめて紹介します。
※以下はインターネット上にある情報をまとめたもので、取材に基づいたものではありません。公益をうたうう団体のページにあるものなので、基本的にはきちんと管理されていると思いますが、修正の必要があればご連絡下さい。
一般社団法人日本インターネット報道協会(2008年8月〜)
日本インターネット報道協会は2008年8月に設立された団体です。会の趣旨は「公衆ネットワーク(インターネット)を利用した報道コンテンツの品質向上と会員相互の交流」となっています。こちらへ加入したあと、もろもろの機関で認められれば、政府の記者会見へ参加するための記者証がもらえるのが最大の特徴です。
サイト上に掲載されている役員は以下の通り。情報が古いようなので、ぜひ更新を。。。
- 代表理事: 元木昌彦(「オフィス元木」代表)
- 理事:大森千明((株)ジェイ・キャスト取締役社長)
- 神保哲生(日本ビデオニュース(株)代表取締役社長)
- 杉本誠司((株)ニワンゴ代表取締役社長)
- 監事:蜷川真夫((株)ジェイ・キャスト代表取締役)
公益社団法人 自由報道協会(2011年1月〜)
自由報道協会は「国民の求める『知る権利』『情報公開』『公正な報道』を達成するための“場”を作る」ために設立された団体です。設立は2011年1月27日、その後2012年10月に公益社団法人となっています。会の活動は会見場を提供し、開かれた記者会見を行っています。会見がニコニコ生放送などで中継されるのも特徴のひとつ。また「すべてのジャーナリストを対象にしたジャーナリズム賞として」自由報道協会賞を毎年発表しています。
- 会長兼理事長 苫米地 英人
- 代表 大貫 康雄
- 副代表 揖斐 憲
- 理事 ピオ デミリア
- 理事 山口 一臣
- 理事 伊藤 昭一
- 理事 武川 萌
- 理事 小川 匡則
- 理事 石田 清美
- 監事 伊田 浩之
ONA Japan(2016年6月ごろ〜)
ONA Japanは「世界最大級のデジタルメディア団体「Online News Association (ONA)」の日本支部」だそうです。一度イベントに行ったことがありますが、海外視察ををしてそこで見聞きしたことを発表する、みたいな感じでした。
Peatixのイベントページを見る限り設立イベントが2016年6月30日に実施されているようなので、設立もそのあたりかと思います。日本新聞協会のレポートによると、設立時に「日本支部の中核メンバーは8人」いたそうですが、現在の人数は不明。なお、Facebookページが過去あったのですが、なくなっていました。
関与している人物を調べてみたところ、分かったのは以下の2名。
- 澤野未来(ONA Japan事務局)ONA Japanのページに記載
- 古田大輔(BuzzFeed Japan創刊編集長, Twitterのプロフィールによると、ONA Japan Co-organizer)
この2人に加え、スマートニュースの藤村厚夫さんもたびたびイベントに登壇しており、関係が深いものと思われます。
特定非営利活動法人ファクトチェック・イニシアティブ(2017年6月〜)
ファクトチェック・イニシアチブ(以下FIJ)は報道のファクトチェック(事実確認)の普及推進を行い、「市民が事実と異なる情報に惑わされないような社会」を目指す団体です。対象はネットだけではなく、紙媒体やテレビなども含むようです。設立は2017年6月21日。その後2018年1月にNPO法人となっています。
こちらの役員は以下になります。
- 理事長:瀬川至朗(早稲田大学政治経済学術院教授)
- 理事:乾健太郎(東北大学大学院情報科学研究科教授)
- 理事:小川和久(静岡県立大学特任教授)
- 理事:奥村信幸(武蔵大学社会学部教授)
- 理事:金井啓子(近畿大学総合社会学部教授)
- 理事:ジョン・ミドルトン(一橋大学大学院法学研究科教授)
- 理事:立岩陽一郎(ジャーナリスト、ニュースのタネ編集長)
- 理事:藤村厚夫(スマートニュース株式会社執行役員)
- 理事:牧野洋(ジャーナリスト兼翻訳家)
- 理事:山崎毅(NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)理事長)
- 理事兼事務局長:楊井 人文 (一般社団法人日本報道検証機構代表、弁護士)
- 監事:三重綾子(元ジャパン・タイムズ)
- 監事:宮田芳男(日本能率協会審査登録センター審査員)
理事には大学教授などが多く、アカデミックな雰囲気がありますね。
インターネットメディア協会(2018年2月〜)【追記あり】
インターネットメディア協会(JIMA)は2018年2月26日に6月の正式発足を目指すとアナウンスされた団体です。まだ公式サイトも何もなく、情報は各社が報じた記事の断片からしかわかりませんが、要約すると以下の3点がポイントだと思われます。
- ネットメディアだけでなく、新聞・出版社・テレビ局など、ネット上で発信を行うすべての媒体が対象
- 加盟団体が遵守するためのガイドラインを作り、ネットメディアの信頼性向上を図る
- これまでなかったネットメディアの品質向上のための「議論の場」となる
この団体に関して、Twitterなどで「ネットの警察になるのか」など、将来的な影響力を危惧する声もありましたが、そうはならないと発起人の1人である古田大輔さんが明言しています。また、この団体ではニュースや報道以外のエンタメコンテンツを発信する媒体も対象となるとしており、今後幅広く参画を呼びかけていくそうです。
設立準備会の発起人は以下の9名です。
- 小川一(毎日新聞取締役・編集編成、総合メディア戦略担当)
- 長田真 DIGIDAY[日本版](編集長)
- 工藤博司(J-CASTニュース編集委員)
- 阪上大葉(現代ビジネス 編集長)
- 竹下隆一郎(ハフポスト日本版 編集長)
- 藤村厚夫(スマートニュース執行役員 メディア事業開発担当)
- 古田大輔(BuzzFeed Japan創刊編集長)
- 楊井人文(GoHoo編集長)
- 山田俊浩(東洋経済オンライン編集長)
ざっと見ていくと、なんとなくいまの業界の顔役のような人が見えてくる気もしますね。IT業界は良くも悪くもビジネス色が強く、Webメディア界隈からはそういった方が出てこなかった印象がありますが、今後は変わってくるのかもしれません。
【追記】2019年4月16日、インターネットメディア協会が設立されました。 JIMA : JIMA設立に関するプレスリリースによると、セミナーやガイドラインの検討などが予定されているとのことです。 発起人には名を連ねていたハフポスト日本版が外れ、Forbes JAPAN WEB編集部 編集長の林亜紀さん(元ハフポスト日本版の方です)の名前が理事に追加されています。また東洋経済オンライン編集長が交代したため、山田俊浩さんから武政秀明さんに変わっています。それに加え、令和メディア研究所主宰の下村健一さんが加わっています。
インターネットメディア協会について参考にした記事
- https://www.buzzfeed.com/jp/daisukefuruta/media-and-journalism-1?utm_term=.diLJ78QWL#.fcljGMZEg
- 日本のネットメディア、情報発信のガイドライン策定へ:JIMA 立ち上げ準備会が発足 | DIGIDAY[日本版]
- ネットメディアの信頼性向上のため——「インターネットメディア協会」設立準備会が発足
実は今回紹介した団体以外にも「インターネットメディア連絡会」や「モバイルメディア連絡会」など、それっぽいものは見つかったのですが、活動の実態がよくわからず紹介は断念しました。インターネットメディア協会も含め、各団体がしっかりと実効性の伴った活動を継続してくれることを期待します。
おまけ
なんか皆さん楽しそうですね
コソボ独立から10年 ネットニュースは成長したのか
先日、日本中が平昌五輪のメダルラッシュに沸くなか、「コソボ独立から10年」というニュースがひっそりと流れました。
コソボ独立から10年ということは、「コソボは独立しなかった」からも10年近い歳月が経ったということです。「コソボは独立しなかった」とは何か。よく知らない人のために簡単に解説しておきます。
我々ネットニュース業界で働いている人間が、ほぼ必ずといっていいほど読んでいる2冊の名著があります。1冊は中川淳一郎氏の『ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)』。もう1冊が当時ヤフージャパン内でニュース事業を担当していた奥村倫弘氏の『ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書)』です。どちらも発売されてからかなり時間が経過していますが、今読んでも色褪せない内容です。
その『ヤフー・トピックスの作り方』には、こんなエピソードが記されています。かいつまんで紹介します。
2008年2月17日、紆余曲折を経て、セルビアの自治州だったコソボが独立宣言を行った。旧ユーゴスラビアでは長きにわたる民族紛争が続いており、これは世界的なビッグニュースだった。しかし、このニュースをヤフー・トピックスに掲載してもアクセス数は伸びない。結局、コソボ共和国独立に関する話題のアクセスシェアは全体の2%に過ぎなかった。以来、ヤフー・トピックスでは「コソボは独立しなかった」と言われるようになった。
ちょっとしたおとぎ話のような趣がありますね。しかし、Yahoo!ニュースという最大手のニュースサイトで「コソボは独立しなかった」といわれた影響は大きく、このエピソードはネットニュースとジャーナリズム、PV至上主義批判という文脈でたびたび語られることとなりました。自分がネットニュースの仕事に携わるようになったのは2011年なのですが、あるときは自嘲的に、またあるときは戒めとして、「コソボは独立しなかった」というフレーズを聞いたものです。
さてこの10年、ネットニュース界はどのように変わったのでしょうか。もし今コソボが独立宣言をしたら、ヤフーニュースで1位をとれるのでしょうか。
ここ数年で大きく変わったのは、アルゴリズムによって投稿の表示回数が変わるSNSの台頭と、それによって引き起こされたフェイクニュース問題。少し遡れば、キュレーションメディアによるリライト記事の粗製濫造、検索結果の汚染。さらに時計を巻き戻せば、個人が書いた記事を直接のニュースソースとして扱うようになったこと(これにも反動が起きつつある)、などがあります。他にもブログメディアブームとかなんか色々あったような気がするけど忘れた。
思えばたびたび、ジャーナリズムの危機だなんだという話を目にした/聞いたような気がします。「報じた方がいいニュース」というのはもちろんあると思いますが、日頃から「ジャーナリズム」を強く意識しているかというと、そこまででもないというのが正直なところ。とはいえ現在関わっている媒体の特性もあり、わりと気にしてる方ではあると思いますが…。
「コソボは独立しなかった」を経験したヤフーは、もはやネット中の「使える」コンテンツをほぼ集めきってしまったと言っていいと思います。そして現在はオリジナル記事の制作や個人が書いた記事をニュースとして扱うなど、新たなことも試すようになりました。これは本当に変わったなと思います。
コンテンツを配信するパブリッシャーは「PVを取るだけでいいのか」という疑問は持ちつつも、食い扶持を稼ぐため、相変わらずSNSや各ポータルサイト、ニュースアグリゲーションアプリにせっせと記事を配信しています。そしてたまに炎上したり、「下世話すぎる」とヤフーさんに怒られたりしています。もちろん、素晴らしい記事を作るところも増えています(これ大事)。
結局のところ、読みたい記事、読まれる記事、読んで欲しい記事が一致することは滅多になく、それらをどうやって共存させていくのかが問題だ、という代わり映えのしない話になるんですが、時間が経った今も、その答えは出ていません。その証拠に、「Webメディアの未来」系のイベントでは毎度同じようなメンツが同じようなテーマについて話していますし、現場目線で見ても「まるで成長していない…」と思うことはちょくちょくあります。
さて、先ほどの「もし今コソボが独立宣言をしたら、ヤフーニュースで1位をとれるのか」という疑問ですが、答えは簡単です。1位なんて取れるわけありません。でもまあ、昔よりは読まれるんじゃないでしょうか。ギリ独立したかな?くらいは。
あ、でも今はオリンピックの記事がめちゃくちゃ読まれるので、やっぱりコソボは独立しないかも…
あの「すごい人」はいかにして挫折を乗り越えたのか - 新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』
第一線で活躍する研究者やクリエイターたち。彼らは若かりし頃、何を思い、何を感じていたのだろうか。
そんな疑問に答えるのが、新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書 1118)』だ。本書は京都産業大学で行われた講演・対談シリーズ「マイ・チャレンジ 一歩を踏み出せば、何かが始まる!」をまとめたもの。登壇者は、山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一。いわずと知れた超一流の面々である。
対談の聞き手を務めた京都産業大学の永田和宏教授は、現代の若者についてこう述べている。
数年前から強く感じてきてたのは、彼ら若い世代から、誰かにあこがれるという話をほとんど聞かないということである。あこがれるという意識の希薄さ、あるいはもっと端的に憧れの対象を持っていないと言い換えてもいいかもしれない。
文春新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』p.3
一連の対談は、そんな若者達のネガティブな心性を変えたいという気持ちから企画された。現在「すごい」と言われている人たちも昔から偉かったわけではなく、何者でもなかった若者時代の苦労や挫折を乗り越えることで成果を挙げられるようになった。学生達にその姿を伝えることで、目標に向かう第一歩を踏み出してほしいというのである。
「ジャマナカ」と呼ばれていた山中伸弥教授
iPS細胞の作製法を発見してノーベル医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は、自身が研究者の道へ進んだ理由として、肝硬変で亡くなった父を助けられなかった無念さとともに、こんなエピソードを挙げている。
大学院に入り、研究者の道を歩み出したのが、ちょうど二十六歳のとき。今から二十五年ぐらい前ですね。こう言うとちょっとカッコよく聞こえるかもしれませんが、研究の道に進んだのには、実はもう一つ理由がありました。外科手術の才能がなかったんです(笑)。二十分で終わるはずの手術に二時間もかかってしまって、指導教官には山中という名前で呼んでもらえず「ジャマナカ、ジャマナカ」と呼ばれていました。
文春新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』p.22
現在の山中教授の活躍ぶりからはおよそ考えられない呼び名である。その後、山中教授はアメリカに留学して研究を進め、日本に帰国。数多の困難を乗り越えてiPS細胞の作製にこぎ着けた。近年、山中氏は研究室に入りたいという学生を面接する際、いつもする質問があるという。
野球は三割バッターだったらすごいし、三割五分も打ったらMLBに入れる。でも研究は、成功率一割もいかないんだと。ということは、九割は失敗だということです。あなた、それに耐えられますか、というような問いかけをするんです。
文春新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』 p.48
失敗が続いても、それに耐え、乗り越える力こそが重要だというわけだ。現実には中々キツいところもあるとは思うが、それに耐えてきたからこそ現在の山中教授があるということだろう。
是枝監督がカメラマンの一言で気付いた、本当に撮るべきもの
『そして父になる』『海街diary』などの作品で知られる映画監督・是枝裕和氏。同氏ははじめてディレクターを務めたドキュメンタリー番組で思わず「やらせ」をやってしまったという。
是枝氏は番組で「うちのカレーは世界でいちばんおいしい」という牛乳屋さんの長男をスリランカに連れて行き、そのカレーを現地の人達に食べさせた。是枝氏は素人の作ったカレーが本場スリランカの人びとにこき下ろされるというシナリオを考えていたのだが、現地で彼のカレーが「ウマイ、ウマイ!」とウケてしまった。慌てた是枝氏は現地のコーディネーターに頼み込み「マズイマズイ、こんなのカレーじゃない」と言ってもらったというのだ。
完全に「やらせ」なのだが、パニック状態の是枝氏はそのことを隠そうともしなかった。その様子を見ていたある先輩カメラマンが、是枝氏にこう言った。
「おまえ、こんなものが撮りたいのか。こんなものが撮りたいんだったら、何も朝から市場でカレーをつくる必要はなかった。彼が苦労をして、僕らも汗だくになって、半日かけて撮影したことに何の意味もないだろう。最初からこれだけ撮ればよかったんじゃないか。」
文春新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』p.118
是枝氏はこの一言にハッとし、本当に撮るべきものに気づいたという。
僕の予想と違う現実が起きてしまったとき、そこに本当のドキュメントが生まれるはずだった。それこそを撮るべきだったのに、僕は自分が敷いたレールから外れてしまったその部分は撮らずに、「これはダメだ、これじゃ番組にならない」と、自分の敷いたレールのほうに番組を戻してしまった。そして、そのまま放送してしまいました。
文春新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』p.119
数年後、この事がはっきりと分かるようになった是枝氏は、出演者してくれた牛乳屋さんの長男に謝罪したそうだ。
ただでさえ不確定要素の多いコンテンツ制作を生業としていると、どうにかして予定通りに進めようとしてしまいがちだ。「やらせ」はやってはいけないことだが、駆け出し時代の是枝氏が、なんとか自分の番組を成立させようと四苦八苦していたことが伝わるエピソードである。
今回取り上げなかったものも含め、本書には登壇者4名の「何者でもなかった」頃の話がふんだんに収められている。学生達を勇気づけるために語られたエピソードの数々に触れれば、思わずやる気が湧いてくること間違いなし。就職活動前の学生など、新たな挑戦を始めたい人にうってつけの一冊となっている。
最後に本書から、ゴリラ研究で知られる京都大学総長・山極壽一氏の話を紹介したい。
人間の一番重要な能力は、諦めないということです。動物はできなかったら諦めちゃう。人間はしつこいんです。なかなか諦めない。失敗しても失敗しても諦めない。だから人間は空を飛べるようになったし、海中深く潜れるようになったし、様々な道具を発明して、人間の身体以上のことができるようになった。
(中略)
ただし、塩梅というのも必要です。ずっと諦めないで何も成就しないまま人生を終わるということもあり得る(笑)。だから、どこかでちゃんと見極める必要があります。そのために、友達っているんですよ。「ちょっとおまえもういい加減にしとけよ」って言ってくれる友達が必要なんです。それはインターネットでは得られないでしょう。
文春新書『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』 p.201-202
友人の少ない筆者には耳の痛い話である。
『土屋礼央のざっくり聞くと』全記事まとめ
今年の3月から、RAG FAIRの土屋礼央さんを起用した『土屋礼央のざっくり聞くと』という連載をlivedoor ニュース内に掲載しています。といっても僕はお手伝いで、メインとなって色々進めてくれているのは会社の先輩でブロガーの@tanocchiさんです。田野さんはほんとにすごい。
この連載、livedoorニュース内に全記事を追える記事一覧ページが存在しないので、こちらのブログで個人的に記事をまとめておきます。もちろん宣伝です。
更新があれば随時追記していきます。
BuzzFeed Japanのメンバーがすごすぎるので過去の仕事を調べてみた【追記あり】
いまWebメディア業界で最もアツい話題といえば、元祖バイラルメディア、BuzzFeedの日本上陸ですよね。気になってTwitterで調べてみると、BuzzFeed日本版の立ち上げメンバーが超すごい。今回はそんなBuzzFeed Japanの皆さんを過去の仕事を振り返りつつ勝手に紹介しちゃいます。
編集長 古田大輔さん
本日、BuzzFeed Japan創刊編集長に就任しました。よろしくお願いします! I'm thrilled to join @Buzzfeed as founding editor of BuzzFeed Japan! http://t.co/51SujSLuID
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 10月 16
なんといってもメディアのカラーを決めるのは編集長です。BuzzFeed Japanでは朝日新聞デジタル出身の古田大輔さんがそのポストに就任されています。
古田編集長はソチ五輪の際に話題になった浅田真央選手の特集を担当された方だそう。また朝日新聞が運営しているニュースサイトwithnewsでは、東洋経済オンライン山田編集長のインタビュー記事など、Webメディアについて精力的に取材されていたようです。
参考リンク:浅田真央選手の軌跡を描く朝日新聞デジタル「ラストダンス」ができるまで 新聞社にしかできないコンテンツ目指して (1/3) - ITmedia NEWS
【追記 2019.05.23】古田大輔さんがBuzzFeed Japanの編集長を退任されると発表されました。今後はシニアフェローとしてBuzzFeed Japanに関わるそうです。
BuzzFeed Japan創刊編集長を退任します。急成長できたのは編集部員や世界に広がる仲間、支持してくれた人たちのおかげ。今後はBFJをシニアフェローとしてサポートしつつ、個人でもデジタル時代のメディア生態系の確立のために頑張ります。https://t.co/ayZST3EdqH
— 古田大輔 (@masurakusuo) 2019年5月23日
副編集長 伊藤大地さん
【お知らせ】本日、この冬に立ち上げとなるウェブメディア、バズフィード日本版の副編集長に就任しました。今後ともよろしくお願い致します。
— daichi ito (@daichi) 2015, 11月 9
Twitterでおなじみ、@daichiこと伊藤大地さんはBuzzFeed日本版の副編集長に就任。ハフィントンポスト日本版副編集長がまさかの大型移籍です。
伊藤大地さんはハフィントンポストでサッカー日本代表の試合をデータに基づいて分析した記事を書いたり、新国立問題を継続的に追いかけていた編集者です。普段のツイートを見る限り、読者目線を非常に大切にしている方なのがわかります。
【追記 2019.05.23】伊藤大地さんは古田大輔さんの編集長退任に伴い、オリジナル編集長としてニュース部門以外の記事を担当するそうです。
【お知らせ】BuzzFeed Japanのオリジナル編集長に就任することになりました。「Joy and Truth」楽しさと真実を、いまのオーディエンスと技術動向にそって届け、ポジティブな影響を世の中に与える。このビジョンのもと、実現のために頑張ります!https://t.co/fh0vToWeCb
— daichi ito (@daichi) 2019年5月23日
渡辺一樹さん
というわけで、本日よりバズフィードで働き始めました。これまで弁護士ドットコムでやってきた仕事とは、またひと味違う感じになりそうですが、「報道記者」として引き続きがんばります! pic.twitter.com/TINY211krX
— 渡辺一樹 (@_gl_hf) 2015, 11月 16
ニッチな領域を攻めながらもしっかり結果を出しているニュースサイト、弁護士ドットコムニュース。その副編集長だった渡辺一樹さんもBuzzFeed Japanにジョインしています。
渡辺さんは報道記者としてBuzzFeed Japanに加わっています。弁護士ドットコムの記事は探しにくかったので、ご本人がツイートされていた記事をご紹介。また僕が会社で担当しているBLOGOSでも記事を書いていただいたことがあります。記事を読むと分かる通り、政治や社会問題に強い関心をお持ちの方です。
【追記 2017.11.07】渡辺一樹さんは2017年11月にBuzzFeedからHuffpost日本版(旧ハフィントンポスト日本版)へ移籍。BuzzFeed Japan創設時にはハフポストからの引き抜きが目立っていましたが、今度はその逆です。以下は元弁護士ドットコムニュース編集長の亀松さんのコメントです。
【追記】渡辺さんはその後、ハフポスト日本版からも退職されたとの情報を得ています。
嘉島唯さん
今日からBuzzFeedで働くことになりましたー👻 みなみなさま、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします🙏🏻
ネイルかわいいでしょ! まゆありがとう😘 https://t.co/iuptYLLKEw
— 嘉島唯(弱老害) (@yuuuuuiiiii) 2015, 11月 16
今をときめく若手女子ライターの急先鋒、嘉島唯さん。こちらも副編集長の伊藤大地さんとおなじく、ハフィントンポスト日本版からBuzzFeed Japanに移籍されています。
ご本人の記事一覧ページを見る限り、ハフィントンポストでは主にネイティブアドを担当されていたようですね。また最近ではnoteで高知をdisって大ブレイク。エッセイ的な文章が得意な方のようです。
山口亮さん
Hi @lauraelizdavis @millie , nice to e-meet you! I'm member of BuzzFeed Japan launch team and grad if we could meet at ONA15!
— 山口亮 (@d_tettu) 2015, 9月 26
BuzzFeed JapanはYahoo! Japanと米BuzzFeedの合弁会社なのですが、その関係でYahoo! Japanの方も加わっています。その代表がこちらの山口亮さん。
ご自身のブログではWebメディアについてもいろいろと記事を書かれてるみたいです。山口さんは注目の若手Web編集者の一人としても有名な方ですよ。
【追記 2018.04.02】山口亮さんはBuzzFeed Japanを離れ、Yahoo! JAPANに主務を戻すとのことです。今回は段階的な異動となるようで、ご本人のブログにも具体的な日付は記されていません。BuzzFeedで得た知見をどうYahoo!に生かすのか、今後の一手に注目ですね。→その後、Yahoo! JAPANを退職され、SmartNewsに転職されたようです。
かけ足でしたが、BuzzFeed Japan立ち上げメンバーのすごさが伝わったでしょうか。実は何人かの方にはお会いしたことがあるんですが、みなさんハンパない熱量をお持ちでした。立ち上げ前にこれだけのメンバーを集めるとは、BuzzFeedとYahoo! Japanの本気度が伝わってきますね。
そんなBuzzFeed Japanですが、ここで挙げた5人以外にもまだまだすごいメンバーが加わっているとか。今からローンチが楽しみですね!
バズフィード・ジャパン、さらに1人増えた!ニューヨークとロンドンからコーチも5人来日中 pic.twitter.com/hWK1tcg5Xj
— 古田 大輔 (@masurakusuo) 2015, 12月 8
このエントリは以下の記事にインスパイアされて書かれたものです。
narumi.blog.jp
「後編は明日公開します」って、そろそろダサい気がする
Webメディアでよく見る「後編は明日公開します」みたいな公開日をずらした続きものの記事ですが、これって何のためにやってるんでしょうか。
そもそも記事を分割する理由としては
- 1記事の文字数制限に達したので記事を分割した
- 1記事が長すぎると読了率が下がるので記事を分割した
- 記事の本数を増やすために記事を分割した
- 次の記事がまだ用意できてない
あたりが考えられます。
結果「記事が2つになったから公開日もずらそう」となんとなくやっているのか、あるい何か下心があるのかはわかりませんが、いずれにせよ、読者にはまったくメリットがないダサいやり方だよなーと思っています。
「毎日訪問することでメディア名を覚えてもらいたい」みたいな話もあるとは思いますが、よほど印象に残る記事でなければ、今の読者はどこでどの記事を読んだかなんて覚えていません。それに本当に続きが気になっている読者なら、すぐに後編も読みたいと思うはずですよね。飽きっぽい読者なら公開日がずれることで「今読めないならもういいや」と思う可能性だってあります。
よく知られた話ではありますが、NETFLIX制作のドラマはイッキ見ができるよう、公開日に1シーズン分丸ごと配信されています。ユーザーは見たいコンテンツを好きなように見られて満足していますし、それでサービスの評価も上がっています。
動画とテキストでは性質が異なるため単純比較はできませんが、それでもユーザーの利便性を考えると、テキストの場合でも公開日をずらさず、一度に掲載したほうがいいのは明白です。
だいたい前後編とかになってるのって、単なるインタビュー記事だったりするんですよね。本当に公開日をずらす意味があると思ってやってるんでしょうか。
Shake Shackもいいけど、the 3rd Burgerも美味しいのでオススメ
外苑前にできたShake Shack、大人気らしいですね。行列ができることもあるとか。とはいえ「ハンバーガーを食べるのに行列はな・・・」という人も多いんじゃないでしょうか。僕もそうです。
そんな僕がハンバーガーを食べたくなった時によく行くのが、青山は骨董通りにあるthe 3rd Burgerです。
こちらのお店、都内に3店舗ほどあるハンバーガーチェーンで、青山骨董通り店の他にも、六本木と吉祥寺に店舗があるようです。
公式サイトにも書いてありますが、こちらのお店のこだわりは、
- 毎朝お店で発酵させて焼いた保存剤・防腐剤未使用のバンズ
- 毎日ブロック肉を挽いて作るパティ
- 厳選した野菜を仕入れ、お店で調理
だそうです。店内調理にこだわってるんですね。
店内は広々、内装もほどよくおしゃれ
246から骨董通りに入ってしばらく進むと、かわいらしい看板が見えてきます。
つきました。
お店はガラス張り。シャレオツです。テラス席もあるにはあるんですが、この季節はちょっと厳しいかも。
店内スペースは結構広いです。僕はいつもランチタイムを逃したときに1人で来るんですが、他の人が気になることありません。
ハンバーガーショップらしくカウンターで注文します。すみません、オシャレすぎてぶれました。
ドリンクはすぐ渡してくれますが、ハンバーガーはこちらのベルを持って待機。フードコート感あります。
ハンバーガーの値段は290円から。主力商品はバーガー単品で500円くらいです。追加料金でセットにもできるのがうれしいですね。
今回はチーズな気分だったので「チェダー&クリームチーズバーガー」のセットで。大体1,200円です。やや高めでしょうか。
とろりとしたチーズが絶妙なハンバーガー
ハンバーガーはダイナー系のものとは違いやや小ぶり。女性でも難なく食べられるサイズだと思います。
ポテトは太すぎず細すぎずといった感じ。
バーガーのパティにはとろりとしたチーズが載っています。美味しくないわけがありません。
寄りますね。とろ〜り。チェダーチーズの香りとクリームチーズのまろやかさがたまりません。
一瞬で完食です。ごちそうさまでした。
食べログでも高評価のこのお店、看板メニューの「the 3rd Burger」もほのかに香るワサビがいいアクセントになっていて美味しいですよ。
the 3rd Burger 青山骨董通り店
営業時間:AM9:00~PM10:30